フキとフキノトウって何が違うの? フキは春に収穫を迎える季節野菜として、昔から栽培されてきました。透き通るような淡い緑色と、さわやかな香りは食卓に色を添えてくれます。フキノトウは春の訪れを告げてくれる花のつぼみ。晩秋から翌早春までつぼみのままで春を待ちます。まだ雪が残るころ、あちらこちらで雪解けの合間からひょっこり顔を出す姿は待ちわびた春の息吹を感じ、思わず顔がほころびます。このフキノトウは東北北部では熊が冬眠から覚めた際、目を覚ますために食すといわれています。この苦味が熊をも目覚めさせるようです(笑)フキとフキノトウの何が違うの?というと、同じ根っこでつながった葉っぱ(フキ)と花(フキノトウ)です。フキノトウは成長してもフキにはならないのです。 フキノトウが先に顔を出し→花を咲かせ→薹(とう)が立ち→枯れます。 フキノトウは花が咲いた後、茎がそのまま20cm〜40cmほどまで伸び、やがて茎は枯れて絶えていきます。 その後株元からフキの葉が出始め、葉茎を長く生長させながら丸い葉を広げます。 地植えの場合30〜60cmほどになりますが、条件が合うと1mほどまで生長する場合もあります。 細い地下茎は数年で3本以上生長し、それぞれ7〜8節伸びます。春には各節からフキノトウが顔を出し、その後フキが出てきます。栽培品種として、愛知県の「愛知早生フキ」、野生種では「山フキ」や秋田県に多く自生する大型の「アキタフキ」などがあります。 春の味 フキノトウはほろ苦さとさわやかな香りが特徴の食材です。東北地方では、細かく刻んで味噌に混ぜ、「ばっけ味噌」を作ります。炊き立てのご飯にとっても合う春のおかずです。 その他、天ぷらやおみそ汁の具材にも利用されます。天ぷらにする際は、半分に割るように切ってから衣をつけ揚げるとサクサク触感が楽しめます。苦味も熱を加えることによって緩和されますよ。フキは今では1年十スーパーで購入できるようになりましたが、やはり採れたては香りが楽しめるのが優越感ですね。台所に立ち、フキの筋を包丁で向くのもまた春が来たと感じさせてくれる作業です。 生長カレンダー (※東北の場合です。関東以西の場合、開花は1か月ほど早く、枯れ始めは1か月ほど遅めです。) 栽培方法 ●育て方● 日向でも育ちますが、半日陰で肥えた土地を好みます。とても丈夫な植物で、根が地下を這って増えていきます。適地に根付けば、後は手間いらずな植物です。 ベランダ等で育てる場合は、少し深めのプランターに植え付け、日向(関東以西の場合は午前中だけ陽が当たるような半日陰に置き管理します。 ●土づくり● 地植えの場合は、畑や庭土に、元肥(もとごえ)として堆肥(たいひ)と腐葉土を混ぜておきます。1m2あたり、堆肥18Lと同量の腐葉土が目安です。 プランターの場合は、黒土と腐葉土を1:1の割合で混ぜておきます。 ※追肥として、春と秋に適宜、化成肥料を与えます。 ●植え付け● 植え付け時期は、2〜4月または10〜11月。植え付け場所は、家の北側など、湿り気のある半日陰が向いています。湿気の多い場所ほど、やわらかくておいしいフキが採取できます。日当たりがあまりよくないベランダなどでも栽培可能。地植えの場合、深さ約5cmの溝を掘り植えつけます。株間は30cm以上あけ、覆土は約5cm。 ●植え替え● 2〜3年に1度、夏に葉が込み合ってきたら、10〜11月に植え替えます。 秋に掘り上げると、横に根が張っています。これを、新芽があるところを目安に、2〜3節(10〜15cm)ほどに切り分け、この株を再度、30cmの株間で水平に並べて植えつけます。 収穫方法 ■収穫の仕方■ フキノトウは開ききっていない蕾の部分を軽く支え、カッターナイフなどで、土中に刺すようにして根元部分からとります。フキは伸びきる前30〜50cmほどの茎(葉柄)を株元からカッターナイフで切り、葉の部分も切り落とします。1株から2〜3本出てきますが、1番目はかたいので、2番目以降を収穫します。育てて1年目は全体の3分の1、2年目以降は全体の半分を目安に収穫しましょう。 ■下ごしらえ■ フキノトウはさっと水洗いし、調理の直前に、汚れのある外側の苞葉をはずして、蕾の部分のみを使います。天ぷらにする場合は半分に切って、よく水気を切ってから利用します。 ■長期の保存方法■ フキノトウは約0.1%の重曹水で約3分ゆで、冷水にさらし、水気を切りポリ袋に入れ密閉します。約1カ月冷凍保存が可能です。 塩漬けにする場合、フキは生で皮付きのまま多めの塩で漬け込み、重石を乗せて冷暗所へ。塩分約30%で約半年の保存が可能です。 山菜レシピ ★フキの粒マスタードソース仕立て春の香りを副菜に。粒マスタードでさっぱりといただけます。 ★フキのアンゼリカ(砂糖菓子)甘味の中でもさわやかなフキの香りがする砂糖菓子。幅広い世代で楽しんでいただけます。
購入203,742円(税込み)